ならば、悪女になりましょう~亡き者にした令嬢からやり返される気分はいかがですか?~(試し読み)
ミアとしての変装は完璧だ。同じ屋根の下で暮らしているリリアンでさえもアウレリアの正体に気づかなかったほど完璧だ。
親しく口をきいたのは昨夜が初めてのエルドリックに気づかれるはずはない。他の店員に声をかけてほしいと願ったけれど、その願いはかなわなかった。
「……手を貸してくれ」
「か、かしこまりました!」
上客は店の上階に通すのだが、あいにくとすべて埋まっている。
先ほどのリリアン達と同じように上に案内しようとしたら、エルドリックは、手でアウレリアを制した。
「ここで構わない。自分の目で見るのが好きなんだ」
そんなことを言われても。
だが、一介の店員にしかすぎない「ミア」が、「貴族」の言葉に反対するわけにもいかない。
平民の「ミア」は相手が隣国の王太子であることには気づいていなくても、服装から判断すれば身分の高い人であると判断できなければならないのだ。
「なにをお探しでしょう?」
「十三の娘に贈る品を探している。日常的に使えるものがいいんだが」
「お相手の方は、貴族ですか? 平民ですか?」
「……貴族」
親しく口をきいたのは昨夜が初めてのエルドリックに気づかれるはずはない。他の店員に声をかけてほしいと願ったけれど、その願いはかなわなかった。
「……手を貸してくれ」
「か、かしこまりました!」
上客は店の上階に通すのだが、あいにくとすべて埋まっている。
先ほどのリリアン達と同じように上に案内しようとしたら、エルドリックは、手でアウレリアを制した。
「ここで構わない。自分の目で見るのが好きなんだ」
そんなことを言われても。
だが、一介の店員にしかすぎない「ミア」が、「貴族」の言葉に反対するわけにもいかない。
平民の「ミア」は相手が隣国の王太子であることには気づいていなくても、服装から判断すれば身分の高い人であると判断できなければならないのだ。
「なにをお探しでしょう?」
「十三の娘に贈る品を探している。日常的に使えるものがいいんだが」
「お相手の方は、貴族ですか? 平民ですか?」
「……貴族」