ならば、悪女になりましょう~亡き者にした令嬢からやり返される気分はいかがですか?~(試し読み)
 答えるのに、一瞬間が開いた。相手が貴族ならば、ここに並ぶ商品は適さない。
 いくら、キラキラしているように見えるとはいえ、飾り物についている石の品質はさほどよくないし、他の素材もそれなりのものだ。
 ここはあくまでも、裕福な平民向けの商品。生活に苦しい下級貴族ならばまだしも、エルドリックが貴族の令嬢に贈る品にはふさわしくない。

「でしたら、やはり上へどうぞ。こちらに並ぶのは、平民向けの……その、さほど高価ではない品ですので、貴族の方への贈り物には適しません」
「わかった。それなら、いいようにしてくれ」
「かしこまりました」

 会議室は、先ほど綺麗に片づけたばかり。
 エルドリックをこのままここに立たせておくより、案内してから必要な品々を並べた方がいい。
 三階まで案内して、すぐにノクスのいる事務室へ駆け込む。

「エルドリック殿下がお見えよ。私が接客するので、若い貴族令嬢向けの商品をありったけ運ばせくれる? 贈り物ですって」
「かしこまりました」

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