ならば、悪女になりましょう~亡き者にした令嬢からやり返される気分はいかがですか?~(試し読み)
 ひそひそと囁き合い、すぐにアウレリアは三階に戻る。三階にアウレリアが客を案内するのを見ていた従業員は、早くも飲み物を準備して待っていた。

「ありがとう。あとは、会長と私に任せて」

 従業員の中でも、アウレリアとノクスの関係を知る者は少ない。あくまでもアウレリアのことは「ミア」として認識している者の方が多い。

「頑張ってください……」
「ええ、粗相がないように気をつけるわね」

 案内されたのが誰なのかまではわからなくとも、身分ある人であることはすぐに認識したらしい。青い顔になりながらも、アウレリアに励ましの言葉をかけて、従業員は引き上げていく。

「お待たせいたしました。商会長のノクスでございます」

 土産物によさそうな商品を、山のように持った従業員を三人従えたノクスがやってくる。
 運ばれてきたのは、商会専属職人が作ったものや、海の向こう側から輸入したものなど、ベリアンド王国では珍しいであろう品々だ。もちろん、隣国のベリアンド王国から輸入した商品はすべて外されている。
 ベリアンド王国は、レースの製造で有名で、腕のいい職人を多数抱えている。
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