傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
「確かに溺水者の救助にはかなり危険が伴う。いくら泳ぎに自信があっても、素人が一人で水に入って救助することはまず無理だ。それは肝に銘じてほしい」
「……はい」
「だがあなたが大きな声で知らせてくれたおかげで、いち早く危険を察知して救助に行くことができた。本当はあなたよりも先に救助に行くべきだったんだが、あの時は色々トラブルが重なっていて……結果的にあなたも危険に晒してしまった。謝るのはこちらの方だ。こちらの不手際で申し訳ない」
沈痛な面持ちで彼が頭を下げてくるものだから、凪はすっかり恐縮してしまった。
「いえ、そんな、そうは言っても助けてくださいましたし……謝らないでください」
すると顔を上げた彼がまっすぐ凪を見た。
漆黒の双眸に射貫かれ、凪の心臓がドクリと大きく脈を打つ。
「躊躇うことなく真っ先にあの子供を救助に行ったあなたの勇気は尊敬に値する。だが、それであなたが命を失うことはあってはならない。今後は俺たちを頼ってほしい」
「は、はい……」
凪が頷くと、彼は白い歯を見せて朗らかに笑った。先程の真剣な表情とは印象が全く違うからだろうか、彼の笑顔に目が釘付けになってしまう。
「しばらく傍についていたいんだが、戻らなくちゃいけなくてね。もう少ししたらナースが来ると思うから、それまで安静にしていてほしい」
立ち上がった彼が凪を見下ろす目は優しい。何か特別な意味が込められているような気がして、凪の頬がほんのり色づく。そんなはずないのに。
彼が出て行って救護室の扉が閉まるまで、凪の心臓はずっと激しく脈打っていた。
「……はい」
「だがあなたが大きな声で知らせてくれたおかげで、いち早く危険を察知して救助に行くことができた。本当はあなたよりも先に救助に行くべきだったんだが、あの時は色々トラブルが重なっていて……結果的にあなたも危険に晒してしまった。謝るのはこちらの方だ。こちらの不手際で申し訳ない」
沈痛な面持ちで彼が頭を下げてくるものだから、凪はすっかり恐縮してしまった。
「いえ、そんな、そうは言っても助けてくださいましたし……謝らないでください」
すると顔を上げた彼がまっすぐ凪を見た。
漆黒の双眸に射貫かれ、凪の心臓がドクリと大きく脈を打つ。
「躊躇うことなく真っ先にあの子供を救助に行ったあなたの勇気は尊敬に値する。だが、それであなたが命を失うことはあってはならない。今後は俺たちを頼ってほしい」
「は、はい……」
凪が頷くと、彼は白い歯を見せて朗らかに笑った。先程の真剣な表情とは印象が全く違うからだろうか、彼の笑顔に目が釘付けになってしまう。
「しばらく傍についていたいんだが、戻らなくちゃいけなくてね。もう少ししたらナースが来ると思うから、それまで安静にしていてほしい」
立ち上がった彼が凪を見下ろす目は優しい。何か特別な意味が込められているような気がして、凪の頬がほんのり色づく。そんなはずないのに。
彼が出て行って救護室の扉が閉まるまで、凪の心臓はずっと激しく脈打っていた。