『後姿のピアニスト』 ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
 期待を裏切らない演奏が続いた。『EMBRACEABLE YOU』、『THE MAN I LOVE』と更にガーシュインの曲が続いたのだ。演奏もさることながら、その歌唱力に舌を巻いた。
 
 3曲目が終わり、拍手に軽く会釈を返したピアニストが座ったままマイクを握った。
「懐かしのロックはお好きかしら?」
 イタリア訛りの英語で客席に問いかけると、あちこちから拍手が起こった。
 どんな曲だろう? 
 自分の知っている曲かな? 
 期待でワクワクしていると、意外な曲が始まった。
『LIGHT MY FIRE』
 アメリカのロックバンド、ザ・ドアーズの代表曲。
 1967年に3週連続で1位を獲得した大ヒット曲。
 邦題は『ハートに火を点けて』
 原曲がわからない程にテンポをぐっと落として、完全にジャズになっている。
 凄い! 
 彼らのセンスに思い切り脱帽した。

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