悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
「で、でもその、血統……とか……」
「命の価値は血で決まるものではないだろう」

 あっさりとそう断言され戸惑った私が後退りしようとするが、彼に腰をがっしりと掴まれていて動けない。

「ふむ、これもひとつの拘束プレイか?」
「違いますっ!」
「そうか? だが、嫌そうには見えないが」

 くすりと笑いながらそんなことを言われ、いつの間にこんなにたちが悪く成長したのかと頭が痛くなる。

「それに、六度目の結婚を失敗し跡継ぎがまた生まれないより、恋した相手と結婚して跡継ぎが生まれる方が圧倒的に喜ばれるのは間違いない」
「私が産めなかったらどうするんですか」
「その時は養子を貰うか。既婚なら養子が貰えるしな、拐ったなんて悪評が立ちそうだが」

 なんでもないことのように私の不安をひとつずつ消して、ニッと口角をあげる彼が一周回って憎たらしくすらも見えた。

「嫌か?」

 なのに、少し不安そうに見つめられると胸がきゅうっと締め付けられるのだ。

“本当に困るわ”

 だって全然、嫌じゃない。
 私なんて釣り合わないとわかっていたはずなのに、こんなの、頷いてしまうに決まってる。
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