学年2モテるイケメン男子に失恋したら、学年1に告白されました。


 1限が終わり、休み時間。

 私はさっそく紅野くんに話しかけようと決めた。

 心臓がどきどきするけど……お礼は、ちゃんとしなきゃ。

 と、思っていたんだけど。


 全然、1人にならない……っ!

 タイミングを見計らってすっと行こうとしたんだけど、紅野くんはずっと誰かと一緒にいる。

 その間に割り込むなんてこと、小心者の私にはハードルが高すぎるので絶対にできない。

 ……そういえば、中学のときもこんなことがあった。

 紅野くんに優しさを分けてもらって、すごくうれしくて、きゅんとして。

 たしかそのとき、彼を好きになった。……結局、お礼はそのあとの班活動のときに言ったんだっけ。

 大丈夫だよ、って笑ってくれたなあ。明るくて、私にはすごく眩しい笑顔だった。



 「おい」



 遠い日の記憶に浸りながら紅野くんを見ていたら、誰かの声が聞こえてきた。



 「まーた、あいつのこと見てんの」

 「わっ! ……碓水(うすい)くん」



 隣に人が来たことに気づいていなくて、私は驚いてしまった。

 ふーんとでもいうように少し口角を上げたその表情に、私はむっと顔をしかめた。

 ……う、面白がられてる。
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