過去夢の少女
☆☆☆

翌日も最悪な気分で目を覚ました。
汗を吸った下着を変えて洗濯機を回す。

洗濯機が止まるのを待っている間に、私は恵に言われた通りスマホに夢の内容をメモしておいた。

「あら、今日は早いのね?」

いつもよりも10分早く支度を済ませた私へ向けて、お母さんが驚いた顔を向けた。

「うん。恵と約束してるの」
「そう。すっかり仲良しね」
「えへへ。行ってきます」

家から自転車で10分ほどの場所に小さな公園がある。
そこは高校からも近いため、恵との約束場所にしていた。
「おはよ恵」

先に来てベンチに座って待っていた恵に声をかけて駆け寄る。
ベンチはちょうと日陰になっていて、涼しそうだ。

「おはよ。私も今来た所だよ」
恵の隣に座ると、さっそく今朝のメモを見せるように言われてスマホを手渡した。

恵は真剣な顔つきで夢の内容を確認している。
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