過去夢の少女
「最後に先生が出てきて声をかけてくれるんだけどさ、お母さん逃げちゃったんだよね。せっかく助けてもらえそうだったのに」
今回の夢で一番ひっかかっていたことを説明すると、恵がスマホから顔をあげた。
「それは、私でも逃げちゃうかも」
「え? どうして?」
私は恵からスマホを受け取って聞き返す。
相手は先生だから相談すれば対処してくれたに違いない。
それなのに逃げる意味がわからなかった。
「だって、先生に相談したって解決できるとは限らないから」
「え……?」
「先生だって人間だもん。学校内での出来事に目を光らせることはできても、学校外じゃ難しい。そもそも、面倒事なんて誰でも嫌だから、話を聞くだけ聞いて無視されるかもしれない」
「そんな、先生はそんな風には見えなかったけど」
「絵梨は、自分がイジメられていることを誰にでも相談できる?」
そう聞かれて返事に詰まった。
相手が信用できるなら相談もできるけれど、誰にでもというわけじゃない。
そこまで考えてようやく恵の言っていることの意味が理解できた。
今回の夢で一番ひっかかっていたことを説明すると、恵がスマホから顔をあげた。
「それは、私でも逃げちゃうかも」
「え? どうして?」
私は恵からスマホを受け取って聞き返す。
相手は先生だから相談すれば対処してくれたに違いない。
それなのに逃げる意味がわからなかった。
「だって、先生に相談したって解決できるとは限らないから」
「え……?」
「先生だって人間だもん。学校内での出来事に目を光らせることはできても、学校外じゃ難しい。そもそも、面倒事なんて誰でも嫌だから、話を聞くだけ聞いて無視されるかもしれない」
「そんな、先生はそんな風には見えなかったけど」
「絵梨は、自分がイジメられていることを誰にでも相談できる?」
そう聞かれて返事に詰まった。
相手が信用できるなら相談もできるけれど、誰にでもというわけじゃない。
そこまで考えてようやく恵の言っていることの意味が理解できた。