過去夢の少女
自然と握りしめていた手に力が入り、気がつけば恵と同じように拳を作っていた。
「いいのかな? そんなことして」

「お母さんがやられたことなんだよ? やり返したっていいに決まってる」
イジメられた経験のある恵がそう言うのだから、きっとそうなんだろう。

娘の私が、相手の娘に復讐をする。
それは決してダメなことじゃない。

過去を清算するためにも必要なことなんじゃないか。
「わかった。恵が言う通りにするよ」
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