過去夢の少女
今日はかなりヒドイ顔をしているんだろうということが想像に容易い。
「見たよ」
短く返事をしていつものように夢の内容をメモしたスマホを手渡す。

恵はそれにザッと目を通してすぐに深くため息を吐き出した。
「これってクラスの女子全員にやられたこと?」

「たぶんね。保健室に行ってた子がいるけど、その子以外は全員いたんだと思う」

「クラス中を巻き込んだイジメだね。ってことは、もう他のクラスでもイジメのことが広まってるかも知れない」

そう言われてハッとした。

クラス内でひとりも味方がいない状態なのだから、クラス外でも噂くらい流れていても不思議じゃない。

「お母さんはクラスの外にも居場所がなかったと思う?」

「わからない。でも、同学年に友達がいたようには見えないよね。うまいこと先輩とかと仲良くなれていてば、まだ話し相手はいたかもしれないけれど」

でも、その可能性もきっと低いだろう。
もし先輩に友人がいれば、その人に相談してイジメはもっと早い段階で収まっていただろう。
< 82 / 186 >

この作品をシェア

pagetop