イケメン転校生に恋をした

 トイレは漏れそうだけど、まだ我慢できる。
 行列が長いのも、一人で並ぶのはつらいけど、優希と二人で話していると時間があっという間に解けていく。

 楽しい。


 映画を観た直後だから、優希と楽しく話せるし。


 「それで、僕と大翔は昔から一緒に遊んでたんだけどね、あいつ急にいなくなったんだよね。僕にも連絡しないで」


 いつの間にか、話は優希の昔話へとはいって行った。


 「僕とは親友だったはずなのにさ、酷いよね、あいつ」



 そう言った優希は、憤慨しているようだった。


 「それって謝ってもらったの?」
 「ううん」優希は首を振った。


 「ただ、僕に軽くすまんとは言ってくれたけどね」
 「それだけかあ」


 あまり、誠意を感じない謝り方だ。


 大翔君は基本人の感情鈍く、色々と軽い。
 だからこそ、軽い気持ちで謝ったのだろう。


 「僕はさ、それでも大翔に再び会えたのはうれしいことだと思うよ。でもあいつイギリスに友達いるみたいだし、花もいるし、僕がいない間に、大翔の唯一の友達の立場からは落ちたけどさ」
 「……優希は、大翔君のことが……好きなの?」


 思わず、私の口からその言葉が出てきてしまった。


 「好きだよ、友達としてね」


 そう言った瞬間、トイレのドアが開いた。
 順番が来たのだ。
 優希はそのトイレへと走って飛び込んでいった。


 ……友達として。
 異性としてはどうなんだろう。

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