クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「えっ……」


「……かなり困らせてますよね、僕」


「……」


寂しい顔が似合わない航輔君を、こんなも切ない表情にしてしまった自分が、とても悪い人間のように思えてしまう。


「全然急がないです。でも、もし良かったら、詩穂さんの本当の気持ちを聞かせてもらえたら嬉しいです」


「航輔君……」


「僕は、あなたとお付き合いしたいと……真剣に思って……ます。一緒にご飯に行ったり、『ハピプレ』にも行きたいです。仕事じゃなくて、詩穂さんと2人で……」


一生懸命言ってくれる航輔君に胸が熱くなる。
この瞬間感じた「嬉しい」という感情は、決して嘘ではないと思った。


だけど――


「……ご、ごめんね。頭の中がまだ混乱してて……落ち着いて少し考えさせてほしい」


「もちろんです。ずっと待ってます。良い返事がもらえること、期待してしまいます。僕は、詩穂さんのことが本当に大好きなんで」
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