クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「詩穂ちゃん。我慢しなくていいよ」


その言葉で堪えていたものを解放したのか、詩穂ちゃんは俺の胸の中で思い切り泣いた。


支えてやりたい、守ってやりたい――


つのる想いに、気づけば、抱きしめる腕の力がだんだん強くなっていった。


詩穂ちゃんは、本当に可愛い過ぎる。
こんな風に自分をさらけ出し、泣きじゃくる姿が愛おしくてたまらない。


止めたくても止まらないのだろう。
洪水のようにとめどなく流れ落ちる涙が、俺の胸を濡らす。
何だか頼られているような気がして……嬉しい。


ただ、こうしているだけの、2人だけの時間が過ぎていく――


「……す、すみません……。シャツとネクタイを濡らしてしまって……」


しばらくして、ほんの少し落ち着いたのか、詩穂ちゃんの声が聞けた。
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