クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「ダメだなんて、そんなことはありません！ 拓弥さんは、うちの家族ともすごく親しくして下さってますし、企画部門のメンバーはみんな桐生課長を信頼して慕っています」


「……ありがとう。企画部門のみんなには感謝してる。君のご家族に関しては、人柄が素晴らし過ぎて、俺はそれに救われてるだけだから」


「そんな風に言っていただいて……嬉しいです。家族が聞いたら間違いなく泣いて喜びますね」


温かさをまとったその笑顔が、今の俺の心を芯から癒してくれる。


「君は本当に優しいな」


「そんな……恥ずかしいです」


「あの時、感じた通りだ。君はあの時のまま……何も変わらない。本当に素敵な女性だ」


「え……？ あの時って……」


詩穂ちゃんは不思議そうに俺に尋ねた。


初めて打ち明ける俺の秘密――


「詩穂ちゃんに初めてあったのは……」