クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「君は、それでも佐和田さんのことを友達だと思ってる。大切なんだな」


「……はい。瑠香とは色々ありました。だけど、『ハピプレ』に何度も行って、2人でニケストーンを探したり、いっぱいアトラクションもパレードもショーも楽しんで、励まし合って「HPJ」に入社しました。そんな大切な時間を、全部無かったことにはできなくて」


「君達の『ハピプレ』への思いは本物だからな。本当に感謝しているよ。だけど、彼女の態度や発言は腹立たしい。君を泣かせる人間は……やっぱり許せない」


「拓弥さん……」


瞳を潤ませ、俺を見つめる詩穂ちゃんを見ていたら、何もしてやれない自分が、どうしようもなく情けない男に思えた。


「詩穂ちゃん」


「はい」


「俺は、本当にダメな男だな。仕事ももちろんまだまだこれからだけど、それ以上に人間関係を上手く作れないんだ」