クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「……本当に信じられないです」


「2度目の再会の後、すぐに海外に行って……それからもずっと忘れられなかった。あの時、声をかけていたら……って、何度も後悔したし、自分が情けなかった。自分で自分を責めたりもした」


「拓弥さん……」


「でも……俺はずっと願っていたんだ。いつか君と一緒に働けたらって。名前も知らない、とても可愛いらしい君と」


詩穂ちゃんは俺の希望――
俺の心は、いつだって遠く離れた日本にいる君で満ち溢れていた。


「……拓弥さんが言ってることは本当のことですか？ 私……騙されてたりしないですか？」


「どうしたら信じてもらえるのかな？ さあ、もう少しミルクティーを飲んで。落ち着くから」


うなづき、口にするまでの間、詩穂ちゃんの手は小刻みに震えていた。


「……すみません。しつこいですよね、私。でも、こういうことに全然慣れていなくて、拓弥さんが私のことを想ってくれてたなんて……やっぱり素直に受け入れません」