クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「さあ、全部言ったよ。俺の秘密」


「拓弥さん……私、私……」


「ずっと見てた、君のこと」


俺は、テーブルから離れて詩穂ちゃんに近づいた。


頬を赤らめ、座ったまま俺の顔を上目遣いで見ている顔がとても可愛らしい。
どうしたらいいのかわからずにいる、その硬直した体を、俺はゆっくりと支えて立ちあがらせた。


一呼吸置いてから、たまらず再び腕を伸ばす。
愛しい君を、強く抱きしめたかったから――


自分の欲求を満たしているだけなのかも知れない。だけれど、湧き上がる男としての欲望をどうしても抑えることはできなかった。


ぎゅっとすると、その体はとても熱かった。
詩穂ちゃんだけではない、俺の体も……いや、俺の方が何倍も熱かった。
異常な程の熱量が、抱き合う2人の体に帯びていたんだ。
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