クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
『お母さんには私から報告しとくから。お姉ちゃんは桐生さんにちゃんと返事するんだよ。見た目や身分なんて、一切関係ないからね。わかった?』


「……うん、わかりました」


『よろしい! じゃあね、また桐生さんと来てよ。おやすみ』


「ありがとう、真穂。おやすみ」


身分や見た目が違い過ぎることを完全に克服したわけではない。それに、いきなり自分に自信が持てるはずもない。
だけど真穂が言った、「もう2度と会えなくてもいいのか?」という言葉に、私はどうしようもなく心を締め付けられた。
悲しくて怖くて、仕方がなかった。


他の誰でもない、私には拓弥さんが必要で、拓弥さんしかいないんだ――


真穂のおかげでそのことに改めて気づくことができた。
航輔君にも、自分の気持ちをちゃんと伝えて、そして……
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