クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「いえいえ、とんでもないです。か、髪、早く乾かして下さいね。風邪引きますよ」


「そこにいたら君が風邪を引く。中に入ってそれをテーブルに置いて」


「えっ?」


「早く早く。寒いから閉めるよ」


「あっ、は、はい……。では、失礼します」


気づけばまた、拓弥さんの部屋に入り込んでいる。
本当にこれでいいのだろうか。
焦らず、ゆっくり……真穂の言葉通り、今日は、ただおでんを食べてほしかっただけなのに。


拓弥さんは、大きめのお鍋を持つ私のために、リビングへのドアを開けてくれた。


テーブルの上には何もない。まだ夕食は食べていないみたいだ。
それにしても、この部屋はいつも綺麗に整頓されていて清潔感に溢れている。
拓弥さんは、どこをとっても完璧な人だ。


「そこに置いて」


「はい」


「2人で食べた方が100倍美味しいから、一緒に食べよう」
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