クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「うんうん、ますます綺麗になってるよね。広報部にいた頃からあまりに美人だったから憧れてたの。すぐに海外勤務になって残念だったけど、まさか今度は桐生課長の秘書だなんてびっくりだよね」


「桐生課長と秘書さん。美男美女で惚れ惚れします」


「桐生課長、本当にイケメンだよね。課長クラスで秘書がいるなんて、桐生グループの御曹司ともなると違うわよね。もしかして、あの親密な感じからして、2人は……」


「いやだぁ、本当ですか～。桐生課長、めちゃくちゃイケメンだし、私、狙っちゃいたいです」


「確かにあんなに素敵な人が彼氏だったら自慢したくなるよね。私も狙ってみようかな」


話す声がとても楽しそうだ。
女性達は早速桐生さんをターゲットにしている。
だけど、すぐ近くにあんな美人で、しかも英語が堪能らしい優秀な秘書さんがいたら……


私は、ようやくできた資料を手に、複雑な気持ちのまま席に戻って仕事を続けた。