クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「何をですか？ 秘書のあなたが私達に何を説教するつもりですか？」


「お説教をするつもりはないわ。ただ……会社のために、拓弥が困らないようにするのも秘書の役目なの。私はそう思ってる」


「は？ 桐生課長は、あなたじゃなく詩穂を選んだんですよ。あなたもフラれたんです！」


私は、佐和田さんの真剣さに思わず笑ってしまった。


「何で笑うの？ 城之内さん、私をバカにしてるんですか？」


「ごめん、ごめん。私が拓弥にフラれたなんて言うから」


「え？」


佐和田さんだけじゃなく、広崎君も首を傾げている。


「私と拓弥はね、正真正銘の『親友』なの」


「親友……ですか？」


「そうよ。だって……私にはちゃんと愛している人がいるから。学生時代からずっと」


「そ、そうなんですか？｣


広崎君は、とても表情豊かに驚いている。
こういう素直なところが周りの女性達に好かれるポイントなのだろうか。