クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「岐路……ですか？」


「そうよ。広崎君は『ハピプレ』が好き？」


「もちろんです！ もちろん、好きです……」


「だったら、これから先の『ハピプレ』を背負っていく気合いと責任感が必要ね。広崎君には、自分の心の中を『楽しい気持ち』で満たしてほしいの」


「楽しい気持ち？」


「ええ。色々あっても、乗り越えなきゃいけない。つらくても、自分の進むべき道を間違えないで」


「城之内さん……」


「ちょっと待ってよ。そんな話なら2人だけでしてもらえますか？」


「佐和田さん、あなたにも聞いてもらいたいの」


厄介なのは、彼女の方。
以前から佐和田さんが拓弥に気があるのはわかっていた。
それに、詩穂ちゃんへの態度も厳しいものがある。2人の婚約を知ってから、佐和田さんの目付きがさらに鋭くなり、周りに対しても口調がキツくなっているのはかなりの問題だ。


これでは、仕事を円滑に進める上で絶対に良くはない。
仕事を辞めたいと言ってるらしいけど、彼女の『ハピプレ愛』からすれば、それも……