クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「やるなら来なさい! 私は合気道の有段者だから、本気出すと危ないわよ」


せっかく離れた佐和田さんを煽っている自分に驚く。


「城之内さん、合気道の有段者なんですか!?」


広崎君は再び驚いた顔をした。


「そう、私は力の弱い女。だけど、亜里を守りたくて、学生時代に合気道を必死で頑張った。どんなことがあっても、たとえ自分が死んだとしても、私は……亜里を守りたいの」


「……バカなの? そこまでする?」


「するわよ。きっと、佐和田さんにはわからないでしょうね。愛してる人が襲われてるのに守れないなんて、そんなの絶対嫌だから。私には亜里しかいないから」


嘘みたい……
勝手にどんどん涙が溢れてしまう。
人前でこの私が泣くなんて……


「……」


2人とも言葉を失っているようだ。
私が泣かないキャラだと思われている証拠だろう。
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