クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

一生に一度の大切な結婚式

3月の中頃。
寒さも和らぎ、ほんの少し春の気配が感じられるようになってきた。あと少しで桜の花が見られると思うと自然に心が弾む。


それぞれに何かとサヨナラする寂しさと、新しく何かが始まる予感が入り交じるこの季節。
いよいよ今日、拓弥さんと私、将太君と真穂の結婚式が行われる。


「ハピプレ」の開園前――
まるで私達を祝福するかのように、朝の柔らかな日差しが降り注いでいる。


広場の舞台の袖に立ち、始まりの合図を待つ私達4人。
いつもとは違うウェディング仕様の華やかな飾り付けが、これから始まる結婚式を盛り上げてくれている。


あまりにも広い芝生のスペースには、木のベンチがいくつか置かれ、両親、そして、拓弥さんのご家族、お互いの身内、友達など、たくさんの列席者が着席していた。