クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

お父様は、孫がお世話になったお礼だと言ってわざわざ来てくれたけれど、それに加え、クリスマス会の進行をしている拓弥さんのことが心配だったんだろう。
莉央のこと、私達家族のことを大事にしてくれる拓弥さんのご両親には本当に感謝している。


最後の卒園式には、拓弥さんの感動のスピーチにみんなが泣いた。
もちろん、私も……
莉央の卒園と、拓弥さんの「会長」としての頑張りに心から拍手を送りたいと思った。


＊＊＊


月日が経つのはとても早い。
また次の春が来て、莉央が小学校に入学すると、拓弥さんはいよいよ本格的に仕事に邁進した。
お父様から引き継いで、桐生グループの社長になるために――


海外への出張もたまにあり、会えないことの寂しさを味わうと、拓弥さんが側にいてくれることがどれだけ「幸せ」なのかが身に染みてわかった。