クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
莉央や大切な人と過ごすゆったりと優しく流れる時間は、私の宝物。
何ものにも変え難い「幸せ」の時。


莉央が小学校、中学校、高校……と進む間には、きっと様々なことが起こるだろう。
良いことも、悪いことも。
だけど、拓弥さんがくれた全部の言葉を胸に抱いて、どんなことも乗り越えるつもりだ。
拓弥さんと莉央がいれば、私は強く生きていける。


***


「明日は詩穂の誕生日のお祝いだな。姫川のお父さんや浅子さん達に会えるのが楽しみだ」


「『ハピプレ』以来ですから、お母さん、早く莉央と拓弥さんに来てもらいたいってずっと言ってたんですよ。もう、すごく張り切っちゃって」


「本当に有難いな。なあ、詩穂」


「え?」


振り向いた瞬間に奪われる唇。


「た、拓弥さん」


「詩穂を見てたら欲しくなった」


そして、繰り返される熱いキス。
こうして、時々、私は「女」になる。


「拓弥さん……」


「愛してる。君の誕生日は明日だけど……先に言わせて」


「……え?」


「詩穂、生まれてきてくれてありがとう。俺と出会ってくれて……本当に……ありがとう」


拓弥さんがくれた「愛」は、私の中にちゃんと流れ込んでいる。
頭のてっぺんから足のつま先まで、あなたの「愛」で埋め尽くされているんだ。


私からも言わせて……
拓弥さん、私を愛してくれてありがとう。
これから先も、ずっとずっと一緒にいたい。


私はあなたを、永遠に、愛してる――
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