クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「……それなら良かった。きっと、『この人には嫌われたくない』って思ったのかも知れないな」


胸が勝手にキュンとなる。
頭の中で今のセリフの意味を急いで理解しようとするけれど、いったいどういうニュアンスの言葉なのかわからない。


それにしても、切なくなったり、悲しくなったり、ときめいたり……こんなに慌ただしい気持ちの変化は初めてだ。


「あの……」


「まあ、会社では混乱させて悪かった。でも、ちゃんと俺はあのオフィスに入った瞬間、すぐに君のことを見つけたよ」


気づいてくれてたんだ――
また、桐生さんの言葉に胸をくすぐられる。
とにかく、見つけてくれていたことに、胸のつかえが取れて何だかホッとした。


「私、桐生さんが『桐生課長』として現れたんで、ものすごく驚きました」


そう、心臓が飛び出すくらいに――
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