クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「ダメよ、お母さん。仕事終わりで桐生課長は疲れてるんだから」


「いえいえ、疲れてないですよ。ですが、今日は帰ってからも仕事がありますので失礼します。また、改めて伺ってもよろしいでしょうか?」


「もちろんです!!」


お母さんと真穂が声を揃えた。


「家族みんなで楽しみにしてますからね。桐生さん、必ず来てくださいよ。そうだわ、お父さん、和菓子を」


「用意してあるよ。お口に合うかどうかわかりませんけど、うちの和菓子です。良かったら……」


「ありがとうございます。とても綺麗な和菓子ですね。ひとつひとつ違う花の形をしていて、食べるのがもったいないです」


「あらやだわ、褒められちゃった」


お母さんと真穂が手を取り合って喜んでいる。


「帰ってからゆっくりいただきます。本当にありがとうございます」


私達は賑やかな実家をあとにし、車で20分ほどの道を帰った。
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