クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「桐生課長、どうしてですか~? 寂しいじゃないですかっ。みんなで行きましょうよ」


社内でも人気のあるこの女性の先輩は、確かつい最近まで航輔君にターゲットを絞っていた。
なのに、あっさり拓弥さんに乗り換えたように見える。


「予定が立て込んでいるんだ。せっかくの誘いだが、私は遠慮させてもらう」


「そうなんですね、すごく残念です。じゃあ、また別の機会に声をかけますから、次は行きましょうね」


拓弥さんは黙ってる。
先輩達は今回は諦めたようだ。


「ああいうところ、クールでカッコいいよね」


「わかる~。私、桐生課長に叱られてみたい」


拓弥さんは、結局、何をしてもモテる。
狙っている女性がたくさんいることは確かで、何だかとても複雑な気持ちになる。


「広崎君、ちょっといいか?」


「はい、桐生課長」


航輔君は、拓弥さんに呼ばれ、少し緊張気味に立ち上がった。
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