クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「いえいえ、中学生や高校生からしたら、もう私は……。あの頃の自分も『ハピプレ』が大好きで、年間パスを買ってよく友達と来てました。でも、私はあんなにキラキラしてなかったんです。すごく……地味な女の子だったので」


瑠香の隣で、私は存在感もそれほどなかっただろう。それでも、あまり気にはしていなかったけれど。


「派手だからキラキラしてるわけじゃない。それに、地味だと思ってるのは自分だけだろ？ 中高時代の詩穂ちゃんは、きっと可愛らしい女の子だったんだろう。その頃の君にも会ってみたかったな」


その言葉、反則だ――
たとえ子どもの頃の私であっても、「可愛らしい」なんて……


「た、拓弥さん、からかわないで下さいね。恥ずかしくなりますから。私なんかのことより、拓弥さんは学生の頃、めちゃくちゃモテましたよね？」