その時はきっと 星空がきれい

「これですか?」
僕は手を伸ばす彼女の後ろから本を1冊取って渡した。
「えっ、はい。ありがとうございます。」
彼女は驚いた様子で振り返った。鼻と鼻が当たりそうなほど近くにある彼女の大きな目と綺麗な瞳、ありがとうという優しいその声に僕は言葉にできない胸のざわつきを感じた。実際は数秒かもしれない。でも僕はその時時が止まったんだと思った。なんだこれ…。
そして僕が取った本を受け取った彼女は「失礼します」といい、去ろうとした。
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