その時はきっと 星空がきれい
僕は今を逃すともう会えない気がして、それがなぜだかとても嫌で、気づけばまた彼女に声をかけていた。
「あの…!僕におすすめの本を教えてくれませんか」
「ふふ、いいですよ」
立ち去ろうとしていた彼女はもう一度振り返り、一瞬驚いてから微笑んでそう言った。
僕はまた、そんな彼女にドキドキしている。自分でも何が起きているのか分からない。
ただ、僕のために本棚を眺めて歩いている彼女から目が離せなかった。
「あった…!これ、読んでみてください。私の好きな本です」
「ありがとうございます、帰ったら早速読んでみます。」
そう伝えると彼女は小さく頷いた。