【受賞】ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
が、京吾はそんな柚花には気付きもせず二人の婦人の背中を見送っている。
「今のお二人は? なにかありましたか?」
いつもと変わらない様子に、柚花はホッとすると同時に落胆した。自分ばかりが気にしているようで、京吾がずるく見えてしまう。
それでも平然を装い、いつもの営業スマイルを浮かべた。
「通りすがりに立ち寄られた方のようです。クリーニングをして帰られました」
「なにも言われませんでしたか?」
「それがあ! 聞いてください、ひどいんですよ!」
萌美が口を挟んできて、京吾はそちらを見た。
「私が接客してたのに、深雪山さんがお客様をとってしまったんです。せっかくリフォームのご案内をしていたのにぃ」
「柴原さん、あれはね」
「まずは柴原さんの話から聞こうか」
言われた萌美はぱあっと顔を輝かせた。
柚花は笑顔を取り繕い、わかりました、と答えた。
なにを言われることになるのか。極悪人のように京吾に告げ口される未来しか浮かばなかった。
少し離れたところで萌美から事情を聞いた京吾は、萌美に用事を頼んで席を外させ、柚花に事情を聞いた。柚花は正直に話した。
「今のお二人は? なにかありましたか?」
いつもと変わらない様子に、柚花はホッとすると同時に落胆した。自分ばかりが気にしているようで、京吾がずるく見えてしまう。
それでも平然を装い、いつもの営業スマイルを浮かべた。
「通りすがりに立ち寄られた方のようです。クリーニングをして帰られました」
「なにも言われませんでしたか?」
「それがあ! 聞いてください、ひどいんですよ!」
萌美が口を挟んできて、京吾はそちらを見た。
「私が接客してたのに、深雪山さんがお客様をとってしまったんです。せっかくリフォームのご案内をしていたのにぃ」
「柴原さん、あれはね」
「まずは柴原さんの話から聞こうか」
言われた萌美はぱあっと顔を輝かせた。
柚花は笑顔を取り繕い、わかりました、と答えた。
なにを言われることになるのか。極悪人のように京吾に告げ口される未来しか浮かばなかった。
少し離れたところで萌美から事情を聞いた京吾は、萌美に用事を頼んで席を外させ、柚花に事情を聞いた。柚花は正直に話した。