【受賞】ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
「――というわけで、お客様にご不快を与えたと判断したため、対応を引き取りました」
「なるほどね」
京吾は頷く。
「佐島店長から聞いてはいましたが、なかなかクセが強いですね」
京吾の言葉に柚花は少し安堵した。
萌美は男性には好印象であることが多いため、全面的に彼女を信じてしまうのではないか、と心配していたのだ。佐島は穏やかな性格で萌美の暴走を止めることができておらず、だからそういう点で柚花は佐島に頼られていた。逆に萌美は自分が佐島に気に入られていると思って調子に乗っているようだった。
「注意しても素直には聞かないでしょうね。うまく誘導していきましょう」
「はい」
冷静な京吾に、柚花は頼もしく彼を見た。自分ならすぐに焦るか怒るかしてしまい、冷静に指導することがなかなかできない。
「ただいま帰りましたあ!」
萌美が首をつっこんできて、柚花はびくっとした。が、京吾は動揺もなく笑みを萌美に向ける。
「ありがとうございます」
「そういえば、京吾さんに聞きたいんですけどお」
「あなたには日本語が通じないのですか?」
京吾に言われ、萌美はきょとんとした。
「苗字で呼ぶようにと言いましたが」
萌美はむっとした顔になったが、すぐに「安曇さん」と言い直す。
「なるほどね」
京吾は頷く。
「佐島店長から聞いてはいましたが、なかなかクセが強いですね」
京吾の言葉に柚花は少し安堵した。
萌美は男性には好印象であることが多いため、全面的に彼女を信じてしまうのではないか、と心配していたのだ。佐島は穏やかな性格で萌美の暴走を止めることができておらず、だからそういう点で柚花は佐島に頼られていた。逆に萌美は自分が佐島に気に入られていると思って調子に乗っているようだった。
「注意しても素直には聞かないでしょうね。うまく誘導していきましょう」
「はい」
冷静な京吾に、柚花は頼もしく彼を見た。自分ならすぐに焦るか怒るかしてしまい、冷静に指導することがなかなかできない。
「ただいま帰りましたあ!」
萌美が首をつっこんできて、柚花はびくっとした。が、京吾は動揺もなく笑みを萌美に向ける。
「ありがとうございます」
「そういえば、京吾さんに聞きたいんですけどお」
「あなたには日本語が通じないのですか?」
京吾に言われ、萌美はきょとんとした。
「苗字で呼ぶようにと言いましたが」
萌美はむっとした顔になったが、すぐに「安曇さん」と言い直す。