【受賞】ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
 いつもの萌美ならもっとねっとりと絡めとるように男性に迫るのだが、今回はかなり直球のアプローチだ。それだけ京吾が気に入ったと言うことなのだろうか。

 しかし憲士のことはどうする気なのだろう。

 まさか本当に偽装彼氏? いや、そんなこと恋人のいる男性に頼まないだろうし、現実に自分はふられている。それを言うなら憲士が自分をふるために萌美に頼んだのだろうか。

 思って、柚花は考えるのをやめた。どういう理由であれ自分はふられたのだ。

「恋人がいる人に頼むことではありませんよ。仕事に戻ってください」
 話は終了、と言わんばかりの態度に、萌美は納得いかないようにむすっとしてその場を離れた。



 木曜日、柚花のシフトは休みだ。
 独り暮らしのワンルームでまったりと過ごすことに決めていたが、頭にはずっと京吾のことが浮かぶ。

 当然ながら、仕事の最中はまったく甘い雰囲気にならない。
 自分ばかりが京吾にみとれてしまい、はっとすることが何度もあった。

 だが、仕方がない、と思う。
 昨日はニューヨーク支店から京吾に電話がかかってきていた。

 お店の電話を片手にパソコンでデータを確認しつつ英語でやりとりしている姿など、見とれないわけがないと思う。

 お店を離れてもまだ頼りにされるなんて。
 私もそんな店長になれるだろうか。
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