警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 だが、彼にはそうしなければならない理由があった。
「……彼女は必ず連絡してくる」
 彼は鋭く(くう)をにらんだ。

***

 ひとり暮らしのワンルームに帰った小夜歌は大きく息をついた。
 スマホの電源は切っていた。帰った直後に『お帰り』と来るメッセージが怖くて、帰宅時には電源を切るのが習慣になっていた。

 そうはいっても、友達や実家からの連絡まで途絶えるのが嫌で、目覚まし代わりにも使っているから寝る前には電源を入れ直している。
 番号を変えたところで会社に連絡先として伝えたらまた同じだろうと、番号は変えていない。

 警察は頼りになる感じがしなかった。
 疲れて何もする気が起きず、気を紛らわせようとしてつけたテレビではニュースがやっていた。

『東京都で発生した通り魔はすでに五件を超えており、近接する市町村の住民は不安な日々を過ごしております』
 女性アナウンサーが真剣な顔で言い、被害の状況が伝えられる。今のところはみんな軽傷で、狙われるのは若い女性ばかりだという。

 今日の帰り際には、あの警察官から「通り魔にも気をつけろよ。そろそろこっちに来そうだ」と言われた。

 ストーカーと通り魔ならどっちが怖いかな、と思ってから自分を抱きしめる。
 そんなの、どっちも怖いに決まってる。
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