警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「まごうかたなき脅迫だな。被害届を出すか?」
「被害届け……でも、また悪化して殺されたり……」

「可能性だけなら否定できない」
 真玄の言葉に、小夜歌は両手で口元を押さえた。

「だから俺は言っただろ、引っ越して転職するのが一番だと」
「……会社を辞めます。引っ越します」

「だが、もう相手に火を点けてしまったあとだ。追って来るぞ」
「そんな……」
 小夜歌はぎゅっと自分を抱きしめた。

「脅迫罪は親告罪ではないから俺が……警察官が犯罪として認知した時点で捜査を開始できる。刑法第二百二十二条に定められ、未遂罪は存在しない。二年以下の懲役、または三十万円以下の罰金。今回の場合、初犯で反省を見せたら送検されても不起訴か起訴猶予だろうな」
「罪にならないってこと?」

「厳密にはいろいろあるが……牢に入ることはないな」
「被害届を出しても無駄じゃないですか」
 小夜歌は自分を抱きしめている手に力を込めた。

「そこで、君を守るために提案がある」
「なんですか?」

「俺の家に来い」
「はあ!?」
 小夜歌は思わず声を上げ、慌てて口を押えた。
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