警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「一階の室外機。この位置なら足場にして簡単に二階に登れる。植木もこの位置は防犯上よろしくない。犯罪者の気持ちになって考えてみればすぐわかることだ」
「ええ……?」
 小夜歌はまたドン引きした。犯罪者の気持ちがわかる警察官って。

「とにかく部屋まで送る。何事もなければ俺も引き上げる」
 部屋の位置まで確認するなんて彼こそ危ないのでは。そう思いながら、小夜歌はふと見た自転車に驚愕した。

「どうした?」
 小夜歌は顔をこわばらせ、震える手で自転車を指さす。赤い自転車は彼女のもので、休日に買い物に利用しているのだが。
 そのサドルが刃物でずたずたに引き裂かれていた。

「これは……攻撃性が高まっているな」
「今までこんなことなかったのに……」

「なおさら部屋の確認が必要だな。行けるか?」
 真玄の言葉に、小夜歌は震えながら頷く。
 階段を一緒に上がり、二〇二号室の前で小夜歌は立ちすくんだ。

 ドアの前にはタバコの吸い殻が散らばっていて、ドアにはなにかで殴った跡があり、少しへこんでいる場所もあった。
 真玄は座り込み、タバコを触ることなく眺める。

「銘柄がばらばらだ。どこかの吸い殻入れから拾って来たんだろう。ドアは道具を使って殴ったようだ。防犯カメラはあるか?」
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