警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「急ぐわけではないが……効率的かつ合理的でありたいとは思うな。どのみちその結果を選ぶのであれば早く決めた方がいい」
「そんな簡単に言わないでよ」
 正直、ストーカーが怖い。

 だけど、彼とも知り合ったばかりだ。最初に「引っ越せばいい」と切り捨てるように対応されたのも引っ掛かっている。
 だがやはり、怖い。サドルを裂いた刃先が次は自分を狙っているかもしれない。

「背中を押してやる。これは俺のためでもあるから人助けだと思え。これで犯人があきらめるか、今後の参考のために実験したい。警察官の俺なら君を襲うこともない。守るのは実験の対価だ」
「実験って……」

「今から引っ越し業者を呼ぶか? ストーカー対策便は高いだろう。引っ越し先には俺のような優秀で親切な警察官はいないだろうから、ひとりで不安を抱える毎日だ」
「……自分で言う?」

「実際、プライベートを削ってまで君を守る警官がいると思うか? 警官にできることはパトロールの強化くらいだ。守るべき市民は君ひとりじゃない」
 真玄の言葉は確実に小夜歌の心を削り、地面がぐらぐらと揺らぐように感じた。

「俺は君を守りたい。これは真実だ。だから安心して来ればいい」
 そのとき、小夜歌のスマホがメッセージの着信を告げた。

 びくっと震えた小夜歌はおそるおそるスマホを取り出す。
 表示されたメッセージに、小夜歌はがたがたと震えた。

「……あいつか?」
 尋ねる真玄に、小夜歌は震える手でスマホを差し出す。

『その男はなんだ』
 画面にはそう表示されていた。
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