警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 思わずむっとすると、彼はくくっと笑う。
「思ったとおりに単純でかわいいな」
「かわいいとか、なんでそんなこと言うの!?」
 話をそらされたことに気づかず、小夜歌は文句を言う。

「感想を言ってはいけないのか?」
「だ、だって、そういうのって」

「すぐ赤くなるのもかわいい」
「だから! やめて! 私の嫌なことはしないんじゃなかったの!?」

「してないだろ?」
「してるわよ」

「だが、君の顔は嬉しそうに上気している。照れているからだろう。脈拍をはかってみようか」
「さっきから、なんでそんなこと言うの!?」

「そんなこと、とは」
「く……口説くみたいなこと」
 彼女の顔はさらに赤くなり、両手で顔を覆った。

「襲わないとは言ったが、口説かないとは言ってない」
「人で遊ばないで! 私が落ちるか実験してるんでしょ!」

「確かにある種の実験ではあるな」
 くくっと彼は笑う。

「最低! 最悪!」
 小夜歌はすくっとソファを立った。

「部屋に戻ってもなにもないだろ。ここにいろ。俺が自分の部屋に行くから」
 彼もソファを立ち、歩き出す。だから小夜歌はソファに座り直した。

「ああ、そうだ」
 扉のところで彼は振り返る。
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