警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「お先に」
 シャワーを終えた彼が、眼鏡をはずしたままハーフパンツに上半身が裸の状態で現れた。頭をタオルでわしゃわしゃと拭きながら隣に座るから思いっきり身を引いた。

「なんで、そんなかっこうで!」
 小夜歌は慌ててそっぽを向いた。

「家で好きな格好をしてなにが悪い」
「わ、私がいるのに!」

「つまりは俺を意識した、と?」
 笑い含みの声が腹立たしくて、小夜歌はさらにつんと顔を背ける。

「礼儀として! 見ないようにしてるの!」
「俺は見られても構わないが」

「セクハラ!」
「これでセクハラが成立するなら、プールや海ではほとんどの男が犯罪者になるが」

「ケースバイケースでしょ」
「ここは俺の家だ」

「だったら私が向こう行くから」
「待て」
 真玄はソファを降りた小夜歌の手をすかさず掴んで引っ張り、座り直させる。

「俺は疲れている。少し甘えさせてくれないか」
「え?」
 小夜歌は驚いて、つい彼を見てしまった。

 眼鏡をしていない彼の目がくっきりと見えた。黒い瞳がまっすぐ自分を捉えていて、なんだかどきどきしてしまう。
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