警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「君がいると、つい構いたくなってしまう」
 言いながら、彼は濡れた髪をかきあげる。その姿がセクシーで、小夜歌の心臓が鼓動を速める。が、目を逸らすと負けのような気がして、頑張って彼を見つめる。

「……そんな猫かなにかみたいな」
「猫より君がいいな」

 彼の目が優しく弧を描き、結局、小夜歌はどうしようもなく頬を染めて目を逸らした。彼がこんなにやわらかく微笑む姿を見る日が来るとは思ってもみなかった。

「やめてください」
「なにを」

「私を口説くようなこと言わないでください」
「なぜだ?」
 彼は心底疑問に思っているようだった。

「好きになったら困るから……」
 目をそらしたまま、彼女は言った。こんなことを言うはめになるなんて、恥ずかしくてたまらない。

「なぜ困る? 恋人はいないんだろう? 婚約者も夫もいないだろ? 俺もフリーだ。なにも問題ない」
 そう言われて、小夜歌ははたと我に返る。

「それはそうだけど……」
「だったらなにも困ることはないだろ」
 正論だとは思う。が、それではなにかが違う気がする。

「警察官って、被害者と交際してはいけないってドラマで見たような……」
「ドラマと一緒にするな。あと、交際どころか一緒に暮らしている」
「まだ二日目だし、今なら言い訳が……」
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