警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「存分に見とれてくれていいぞ」
「そんなわけないって」

「俺はしょっちゅう君に見とれているのに」
「なに言ってんのひょ!」
 最後を噛んでしまい、カッコ悪くて恥ずかしくなる。

「ああ、いいな、こういうの。ずっとバカなこと言っててくれよ」
 彼は実に楽しそうに目を細めている。

「バカで悪かったわね! あなたの思い通りになんかならないからね!」
「俺は褒めてるんだがな。バカな子ほどかわいいという言葉を実感している」

「使い方が違うし絶対に褒めてない」
「どうかな。とりあえず目を閉じて」

「なんでよ」
「キスのときには目を閉じると相場が決まってるだろう」

「なによ、なんでそんなの……」
 抗議するが、彼はふっと余裕の笑みを見せ、顔を近付ける。

 小夜歌は逃げようとするが、ソファに押しつけられて逃げ場がない。
 が、彼は結局キスをするふりをして彼女の耳にそっと囁く。

「今はこれだけで我慢しておく。苦労が多いほうが楽しみが増えるのが相場だ」
「な、なんてこと……」
 へなへなと肘かけに崩れ落ち、小夜歌は涙目で彼をにらむ。

「そんな顔をするな。そそられるだろうが」
「変態!」

「まったくもって不本意だ」
 笑いながら、ふと彼はテレビに目を向けた。真剣なその顔に、文句を言いかけた小夜歌も一緒にテレビを見た。
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