警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 ニュース番組が始まっていて、アナウンサーがトップニュースを伝えている。
『東京で頻発していた通り魔ですが、ついに都境をまたいで隣接する雲雀ヶ丘市にも現れた模様です』

「来たか」
 彼は険しい目でテレビ画面を見つめる。

『被害者は深く刺されており、一時は意識不明の重体となりました。現在は意識が回復し、快方に向かっているとのことです』
 小夜歌は無言でテレビと彼を見比べる。

「明日から遅くなる。食事はいらない」
「……わかった」
 真剣な彼の声に、小夜歌はそう答えるしかなかった。





 彼が宣言した通り、翌日から彼は帰りが遅くなった。
 仕事のことは語らず、念のためにと小夜歌が作っておいた食事を黙々と食べ、シャワーを浴びてすぐに寝る。

 甘い言葉などまったくなくなった。
 厳しい表情に、小夜歌もまた言葉が少なくなった。

 県警本部に所属する彼は土日休みのはずなのに、どちらも出勤した。
 一週間もすると、小夜歌は心細くなった。

 彼が甘く接してくれたのはたったの二日だ。
 なのに、もうさみしくて仕方がない。
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