警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 彼はやっぱり自分のことなど好きではなかったんだ、と気がつかされた。
 落ちるかどうか実験してるんでしょ、と聞いたら肯定された。

 だから、きっとそういうことだ。
 思ってから、自嘲する。
 これではまるで彼に愛されたかったみたいだ。

 彼がいない部屋でひとり、テレビを見る。
 クイズ番組で芸人がふざけた解答をして司会者に突っ込まれる。スタジオでは笑いが起きていたが、まったくおもしろくなくて、ソファにうずくまって膝をかかえる。

 クイズが終わるとそのままニュースが始まり、通り魔について報道していた。
 東京の通り魔と同一犯であると認定され、警察庁と県警本部の共同捜査になるという。

「共同捜査って、どんな感じだろう」
 偉そうな態度の彼が周囲とうまくやっていけるのだろうか。それとも警察官同士ではきちんとしているのだろうか。
スマホが着信を伝え、小夜歌は急いでスマホを手に取った。

『かえれない』
 真玄からのメッセージにはそれだけが書かれていた。
 漢字に変換する時間すら惜しんだのだろうか。
 思ったところに、またメッセージが来た。

『とじまりしろよ』
「わかってるって」
 声に出して返事をして、ため息をついてメッセージを打つ。

『ありがとう。無理しないでね』
 返信を見る暇はあるのだろうか。
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