警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 彼は浴室に向かい、小夜歌はキッチンに向かった。
 彼が帰って来たときのために下ごしらえはしてある。
 ピーマンの肉詰めに火を通し、温野菜サラダ、コンソメスープを用意する。
 シャワーからでてきた彼はホームウェアを着て現れ、ほっとした様子でそれを食べる。

「ああ、やっぱり君の料理はうまいな」
「また火を通し過ぎって言うんでしょ?」
「そのほうが好きなんだ。くたくたになってるから食べやすい」

 彼が食べ終えると、小夜歌は食器をシンクに運んだ。
 振り返って、驚いた。
 彼はこの一瞬で椅子にもたれて眠っていた。

「寝るのはやっ……」
 それほど疲れているのだろう。少しずれた眼鏡に、彼の疲労をいっそう感じさせられた。
 無防備にくたびれた寝顔を見ていると、なぜか彼の頭を撫でてあげたくなった。
 静かに近づいてそっと撫でると、髪は思ったよりやわらかでくすぐったい気持ちになる。

 直後、彼は目を覚ました。
 小夜歌はびくっとして一歩下がる。

「すまない、寝ていたようだ」
「ここで寝ると風邪ひくから」
 どきどきしながら小夜歌は答える。頭を撫でたことがばれていないだろうか。

「ああ……ありがとう」
 彼はのろのろと立ち上がり、歯を磨いてから自室へ戻る。
 後ろ姿を見送り、洗い物をしながらさきほどの自分を思い出す。
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