警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「悪い、助かった」
「大丈夫なの?」
 思わず聞いていた。こんな聞き方なら大丈夫、と答えるしかないのだろうに。

「平気だ。問題ない」
 彼の声には元気がなくて、なのに無理に笑った笑顔に胸が痛む。

「お、もしかして深見の彼女さん?」
 にやにやと笑いながら現れた男もまたくたびれたスーツを身に纏っていた。年齢は真玄と同じくらいに見える。髪はさっぱりと短く、ガタイが良くて男らしい。

「お前には関係ない、消えろ」
「つれないなあ。あ、初めまして。こいつの同期で、捜査一課で刑事をやってます、平世です。こいつの相手は大変だろうけど、よろしく頼みます」

「初めまして。でも恋人じゃないです」
 答えながら、なぜか胸がチクリと痛んだ。

「着替えを持って来るくらいだからてっきり」
「これから恋人になるんだ」
「なんてこと言うのよ」
 慌てる小夜歌に、平世が苦笑した。

「さっさと聞き込みに行け」
 不機嫌に真玄が言うと、平世はまた苦笑した。
「今帰って来たところだよ。休憩くらいさせろ」
「だったら休憩に行け」
 文句を言う真玄のスマホが鳴り、彼は顔をしかめて彼女らと距離をとって電話に出た。

「あいつ、イケメンで背も高い上に、一流大学の犯罪心理学を出てて結構モテるんだ。だけど今まで誰のことも相手にしてこなかったんだぜ」
 平世の言葉に、小夜歌は軽く驚いた。女慣れしているように見えるのに。
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