警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「それより、お風呂は入れてるの?」
 いくら着替えがあってもお風呂に入れなければさっぱりできない気がする。

「シャワーも風呂もあるよ。心配ありがとう」
「思ったより元気そうで良かったわ」
 つい、皮肉を込めて言ってしまった。あんなに心配していたのに、彼が変なことを言うから、素直に心情を伝えられなくなってしまう。

「元気だよ。次の被害者が出る前に解決したい。ストーカーはその後大丈夫か?」
「なにもないよ。出かけるのは隣のスーパーだけだし」

「帰りも必ずタクシーで帰れよ。少し遠回りして尾行する車がいないか確認して、もし尾行がいたら通報しろ」
「大丈夫だよ、心配しすぎ」

「その油断が危ないと言っている」
「ちゃんと気をつけるから」

「家に着いたらメッセージをくれ。返事ができるかはわからんが」
「わかった。仕事、頑張ってね。でも無理しないでね」
「ああ」
 小夜歌は軽く手を振って別れを告げ、ビルを出た。

 日が暮れてきているが、この時間なら人通りも多い。来るときも大丈夫だったし、電車で帰っても問題はないだろう。
 赤い日差しを受けながら、小夜歌は駅へと向かって歩いて行った。
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