警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 彼を頼らなければ、こんなに彼を想うこともなかったのに。
 彼は好きになる予測があると言うばかりで、一度も自分を好きだと言ってくれていない。口説くようなことは何度もいわれているが、それが愛である保証などどこにもない。

 早く彼を自由にしてあげないと。
 だけど約束だから、勝手に出て行くことだけはしないでおこう。
 涙をぬぐい、旅行鞄のチャックを締めた。





 落ち着かない気持ちでスマホでゲームをする。
 だが、結局は集中できなくてスマホを置いてテレビを見る。が、その内容は頭にさっぱり入らない。
 落ち着きなく部屋を歩き、冷蔵庫の中身をチェックして、今晩のごはんはどうしようかと考えてみるものの、すぐに頭は別のことを考え始める。

 真玄に言われたこと、抱きしめられたこと。
 あんなことされたら。
 冷蔵庫の前で、小夜歌はずるずると力なく座り込む。

 まるで愛されてるって思っちゃうじゃない。
 どうしても期待してしまう。一緒にいたいと思ってしまう。

 ぴんぽーん。
 思考を中断させたのは、チャイムの音だった。

 インターホンを見ると、警官らしき制服姿が映っていて嫌な予感がした。なぜ制服警官が訪ねて来るのだろうか。先ほどの事件に関係しているのだろうか。その表情は制帽で隠れてよく見えない。

「はい」
 通話を押して出ると、警察官が言う。
「空木小夜歌さんですね。あなたの恋人の警官が、事故で意識不明の重体です」
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